ハロウィン文書

恥ずかしながら、ハロウィン文書の存在を知ったのは今年になってからだった。


http://cruel.org/freeware/halloween.html


元ネタが発表されたのは、1998年11月。
すでに2006年だから、8年前ということになる。
プロトコルの「脱共有化」か…
この文書の存在を知っていれば、ネタとして使ったニュースが幾つかあったのに…
いや、「リンクするなら黙ってやれ!」という、豪快なリンクポリシーは、いつかどこかで読んだ記憶がある。
だから、山形浩生さんのサイトで、なにがしかの情報*1は読んでいたはずなのだけれど…
まぁ、いいや。


1つは、OpenDocumentフォーマットの標準について。

「オープンドキュメントの標準は1つよりも2つの方がいい」とMicrosoft


もうひとつは…あ〜…昔過ぎて忘れてしまった。
たしか、自社で特許をとっている技術を標準に含めようとして問題になったんだけど…メールだったかな…
とりあえず、OpenDocumentを話の軸にして進めていこうと思う。


今日みたいな文章を書いたときのお約束。免責条項について再度確認。
ここから先は、著者個人の独断と偏見に基づいて記述されたものであって、これに基づいて行った判断やら行動には責任を一切持ちませんってことだ。
いうなれば、事実を机上の論理で料理してみた毒風味。
毒舌が好きな方だけどうぞ。




現在、ビジネスでは独占状態といって良い MS-Offece。
使いやすい一太郎があったのに、学校でもMS-Officeを教えられた経緯がある。
Microsoft的には、いままで同様、オフィスソフトにおける選択肢を独占したいことだろう。
そのための手段として、選択肢を増やすべきだとの提案を行う。
これで、OpenDocumentにおける「標準」というブランドは成り立たなくなる。
頭が良すぎてイヤミに感じる。


標準とは、一つだからこそ標準なのであって二つあったら単なる規格でしかない。
ハロウィン文書を読む限り、Microsoft内部では標準を手にする、もしくは無効にさせる手段を模索している。
それが、自社の利益となることだから。


TCP/IPや、メールなど、現在インターネットで使っている標準(RFC)は、Microsoftでも操作が難しい。
一方、新しい標準であれば、まだ自分を売り込むことのできる分野であることも知っている。
「自分のいないところで標準を決められるのを極端に嫌う」といっても言いすぎじゃないだろう。
だから、MS-Officeでは OpenDocument をサポートしない。
これは、
で、自分の作った規格を標準として使わせようと行動する。


技術に疎い経営者層(あえて強調してるけど、もちろん技術に強い経営者だって存在する)に対して、
「使い慣れたソフトで標準ドキュメントをつくるのと、新しく操作方法を覚えなおさなければならないソフトで標準ドキュメントをつくるのと、どちらを選びますか?」
と聞いたら、普通に考えてどちらを採用するだろうか?
使い慣れたソフトでは、自社形式の、名前だけの標準ドキュメントをつくることしか出来ない…という状況でも、コストを優先する経営者はMS-Officeを選ぶんじゃないだろうか?
会社で使ってるという理由で、個人ユーザも連鎖的にMS-Officeを選びそうだ。
結果的に利を得られそうなのは、MSだな。


また、僕には「gif」の特許爆弾という例も忘れられないので、潜在的脅威としてMicrosoft単一企業だけで策定を行った標準に危惧も覚える。
といっても MS-Office のUIにどっぷり浸かっているので、それ自体に恐怖は無いけれど。
Linux の、クライアント用途向けOS進出が遅れることになりそうなのが心配。
ここでも、ハロウィン文書の内容が気に掛かっている。
Linuxの強みって "標準" を徹底的に利用していることだし。


サーバ市場で優位なのが Linux で、事実上標準(de facto Standard)を含む、標準にキッチリと合っているのが強み。
クライアントPC市場で圧倒的な優位を誇るのが Windows で、その根底を支えているのがMS-Officeなどのビジネス製品…という図式を試しに作った場合、Linux が浸潤してきそうな標準は、なるべく排除したいよな…


なるほど、ハロウィン文書は読んでいて面白い。
簡単にこれだけ書けるのだからw

*1:見回してみたら、干し首に関する記述に見覚えが。ま、誰でも変なもん探して回る時期はあります。